以前も書いたが、私は「人間万事塞翁が馬」という故事成語に妙に惹きつけられるところがある(どうでもいいけど「ほくそ笑む」という言葉も、この塞翁にまつわる話だという説があるらしい。へええ)。
何が良いか悪いか、正しいか間違いか、成功か失敗か、本当は「その時点でどっちが濃く見えているか」というだけの話なのであろう。宇多田ヒカルも小田和正の番組で「いつ終わるか、の問題に過ぎない」と言っていた。終わった時点で濃く見えていた方が、その人にとっての結論、あるいは真実になるのだ。
起きたことは変えられない、でもその見方を変えることはできる、とは誰の言った言葉だったか。見方を変えることは、常に自分を不安定な地盤に置こうとすることであり、とてもエネルギーを使う。しんどいし、怖い。そういうことを、実感を持って生きていたいな、と思う秋の夜長。