松屋町という土地に初めて降り立った。
節句人形の大店(大会社と呼ぶより大店の方がしっくりくる)が交差点に向かい合っていて、一歩路地に入ると坂が多く、商店街には昔からの店と新しい店が軒を連ねている。これまで自分が通っていた大阪の街のどことも表情が違って、まだまだ知らん世界が自分のすぐ隣に横たわっているのだなあ、という感じ。空堀(からほり)商店街がどこにあるのかも初めて知った。
大阪天満宮近辺も歩いていて気分が良い。年のせいか、歴史を感じる街並みに寛ぎを覚えるようになってきた。
この日はいくつか嬉しく楽しい偶然も重なって、雨は降っていたけど足取り軽く帰途についた。十分な内容があると思っていた自分の中の地図に、新たな彩りや面が重なることの喜びよ。