Too Much Mimicry

ここ最近、これまで擬態をしすぎたな……と自分を振り返っている。几帳面で精神状態が安定していて着実にタスクをこなす人間、であるかのような擬態。そうでないと、家庭や学校や職場という場に所属させてもらえないと思い込んでいたのだった。

まあ、特に昭和という時代はそういう空気も色濃く残っていたと思うけど、平成さえ過去になりにけり。組織に属する一員でなくなったせいか、加齢のせいか、自分は頑張ってそういう人間であろうとしていたんだなあ、としみじみ実感している。

擬態を擬態とわかって身をやつしているんならいいけども、擬態を「本来あるべき姿」だと取り違えてしまい、擬態でしかそうなれない、あるいは擬態できない(疲れてるとか飽きたとか)自分はダメだ価値がない……とか思い始めるとこれは呪いに近いよな。そんなことで死にそうなほど苦しんでた時期を、なんと哀れなことよ……と思う。人生はマークシートじゃないっつの。

でも、必死で擬態していた(というか、擬態に甘んじることが許せず本気でそっちに変わろうとしていた)ころの自分は、擬態できないんだろうな……と感じた相手を下に見ていたところがあったと思う。なんちゅういやなやつ。

擬態過剰な状態を脱するに従って、そういう自分に気がついて愕然とした。その一点だけでも、もう擬態なんかできなくていいや、と放棄した自分を讃えたい。