良いのも悪いのも、波には抗わず、乗ってしまった方が消耗せずにすむ、ということを、この歳になってようやく覚えてきたのであった。
言葉にするのは簡単だけど、これが波だと気がつくのが遅れると溺れてしまうから、波の予兆に敏感になる訓練は必要と感じる。
強いストレスのかかる状況が続くと、何も感じないように全てが鈍磨してしまう。そうなると波の予兆なんて微細な変化はとても拾えない。でも状況が変わらないままセンサーの感度を戻すと入力が強すぎて内部の処理が疲弊する。下手をすると取り返しのつかないことになる。だから安全な場所へ避難するのが第一。自分の身を守るには、距離を取るに如くはなし。
生きていればそれだけで上出来であり、大仕事なのである。自分くらいは、自分に法外な結果を強いないでいたい。